スマートフォン版 パソコン版
緑と水の公園都市 三鷹市

作成・発信部署:教育委員会 指導課

公開日:2007年5月23日 最終更新日:2009年7月15日

小・中一貫教育校「にしみたか学園」の検証報告書(3)

 三鷹市教育委員会では、「にしみたか学園」の小・中一貫教育校の検証をするために、平成18年9月21日に「三鷹立小・中一貫教育校検証委員会」を設置しました。このほど、開園3年目である平成20年度の検証結果の報告書が提出されましたので、概要をお知らせします。なお、「検証報告書」の全文は、文末にある「PDFファイル」をクリックするとご覧になれます。(下記添付ファイルをご覧ください。)

 学識経験者、「にしみたか学園」関係者、PTAの代表者などの委員で構成されている本委員会では、平成18年度から20年度の3年間にわたって、「学校運営」、「小・中一貫カリキュラム」、「コミュニティ・スクールの実践」という3つの視点から、年度ごとに、ヒアリングの実施、学校の授業や研究会の見学等から得られる定性的、主観的なデータと学園評価、児童・生徒の授業評価、アンケート調査、全国学力・学習状況調査や三鷹市学習到達度調査の結果等に基づく定量的なデータの両者からより根拠と客観性のある検証を行い、その成果や課題、改善方法などを報告してきました。

特徴的な検証結果の概要
【1 学園としての一体的な運営】

《会議の運営方法の明分化・明確化とICT環境の整備》■
 学園運営に関して、事案決定権限や方法等を明文化するとともに、各校務分掌や委員会の担当管理職や各会議の運営方法を明確にすること、教員一人一台のパソコンとネットワークツール等の環境整備を行うことは、学園運営の円滑化や会議の精選化をする上でも重要である。今後は、パソコンとネットワークツール等の環境を活用できる教員のスキルアップが必要である

 小・中一貫教育校「にしみたか学園」では、各校務分掌や委員会の管理職を明確化し、担当の管理職がいる学校の主幹教諭が主となって管理職と協議の上で進めることにより会議の内容が精選され、事案決定を含めて円滑な運営ができるようになり、会議の時間を1時間程度に時間を短縮することができるようになった。
 さらに、教員一人一台のパソコンとネットワークツール等の環境整備を行ったことにより、コーディネーターや主幹教諭等は、学園ポータルサイト、電子メール、学園共通のフォルダー等を活用しながら情報交換や連絡・相談することで、学校間の物理的な距離による連絡の不備を補うことができ、活用は教員間の円滑な協議や効率化においては効果的であった。
課題としては、教員のパソコンスキルの向上を図る研修や講習を、パソコンやネットワークツール等についての知識や技能の高い教員によるOJTや市教育委員会が主催して行っていく必要がある。また、電子メールについては、情報連絡の系統を明確化していくことも重要である。

【2 一貫カリキュラムによる授業、交流活動等小・中一貫教育校の特色ある教育活動】

《小・中学校教員による相互乗り入れ授業》
■ 小・中一貫教育校としての小・中学校の教員による相互乗り入れ授業等の特色ある教育活動は、児童にとっては、中学校への希望と見通しや安心感を与え、円滑な接続に効果があるとともに、小・中学校の教員両者の児童観・生徒観、学習及び生活指導観等に意識の変革をもたらす。今後、その実施方法・内容を検討するとともに、相互乗り入れ授業などの小・中交流のための後補充補助教員を継続的に配置する組織体制づくりが重要である。 

(1) 相互乗り入れ授業
相互乗り入れ授業などの小学校の教員と中学校の教員とが協力して行う授業への評価は、相互乗り入れ授業を計画的に実施している小学校第5、6年生、中学校1年生の児童・生徒の概ね7割弱が肯定的に評価をしている。中学校の教員が小学校で児童に教えることにより、児童にとっては今学習している内容が中学校でどう生かされるのかを学ぶとともに、児童が中学校の教員を知ることにより、中学進学への安心感がもて段差が緩やかになる効果がある。小学校の教員が中学校の授業に入ることは、生徒にとって知っている教員が指導することで、安心して学習に取り組むことができており、質問をしやすく、つまずきの解消をめざした個別指導が効果的に行われている。複数の教員が授業に当たることで、生徒の学習への意欲も高まっている。

(2) 兼務発令
小・中兼務発令を生かした小・中学校教員間の授業交流を通して小・中学校両者の教員にそれぞれ意識の変革が生じてきている。中学校、小学校それぞれの教員が互いの授業を見合うことで、中学校の教員は、小学校の学習形態から学ぶとともに、小学校の学習において足りない部分や確実におさえるべき内容などにも気づき、よりよい授業展開を模索するきっかけとなっている。
中学校の教員は、小学校に足を運び、授業その他の活動を実際に見ることを通して児童理解を進めている。小学校から中学校への児童の引き継ぎを小学校の教員と中学校の教員がていねいに行うことで、的確な情報共有が図られ、中学校で個に応じた教育支援や学級編成上の配慮等ができる。
(3) 小・中学校間の交流
小学校相互の交流活動、小学校と中学校の交流活動についてと、小学生相互、小学生と中学生が交流することについては、小学校児童の75%〜80%が肯定的な評価をしている。小学校相互の交流は、中学入学後に、小学校交流で共有した体験をきっかけに、中学校入学後の早い段階から友人関係が構築できる効果がある。また、小・中学校の交流は「にしみたか学園の一員」意識を高めるとともに、集団への帰属意識を高めることにも効果的である。

(4) 学年内教科担任制
小学校第3年生以上で実施される学年内教科担任制については、それぞれの教員の専門性や特性、個性を発揮した指導を受けることができること、複数の教員の目を通して児童の多様な面や潜在的な可能性を引き出していける点など効果的である。また教科担任制をとることで、学級担任が一人で抱え込まずに、学年体制として組織的に児童に対応していける。生活指導、教科指導の両面から充実した指導を行うことができるなど教育的効果が高い。

(5) 不登校の出現状況の変化
にしみたか学園全体の不登校の児童・生徒の数は平成17年度から平成20年度にかけて減少傾向を示しており、中学校進学後に急激に増加する不登校生徒の数が抑えられている。中学校における不登校の出現率は全国的に見ても東京都全体でとらえても低く抑えられている。3年目の検証で安易に因果関係や相関関係を結論づけることはできないが、小学校と中学校の教員間、児童・生徒間の交流は、小学生に中学入学後の見通しと安心感や、期待感をもたせることの意味と、小学校と中学校の教員のそれぞれの児童・生徒観、指導観等の変革が及ぼした意義は無視はできない。

(6) 課題
今後、小・中一貫教育校の特色ある教育活動の質的な充実を図っていくためには、各教員の専門性を生かした授業を展開できるような指導システムを早急に作成することや、担当する教員の話し合いの時間を確保したり、電子メールなどを活用したりして打ち合わせ等を十分に行うことが必要である。
また、児童・生徒からその重要性が高く評価されていると同時にコーディネーターや主幹教諭等から、その教育的意義が高いと評価されている相互乗り入れ授業を今後重視し、拡大・充実を図っていくのであれば、継続的に小・中学校交流のための後補充補助教員の拡大や後補充補助教員の指導力等の向上を図っていくことが必要である。

《合同研究会の充実》
■ 共通のテーマや視点を掲げた小・中学校教員による合同の研究会の充実は、小・中学校相互の授業力を向上させ、児童・生徒のさらなる学習意欲の向上と「確かな学力」の定着・向上に大きな効果がある。今後、小・中一貫カリキュラムに基づく小・中学校合同の授業研究を一層推進・充実することにより、義務教育9年間の児童・生徒の学力保障につながる。

(1) 年間20回以上の合同研究会
 小学校と中学校の教員が、小・中一貫カリキュラム、課題(問題)解決型の授業等という共通の視点をもって、年間20回を超える研究会、分科会での指導案研究やカリキュラム検討、授業研究を通して、小・中一貫カリキュラムや円滑な接続のあり方、小・中一貫教育の意義の理解が深まり、授業改善、授業力の向上、それを通した児童・生徒の確かな学力の向上につながった。
(2) 課題
新学習指導要領に、改訂した小・中一貫カリキュラムのもとに、学園全体で研究に共通の視点やテーマを掲げ、小・中学校のすべての教員が協働して研究や授業実践を一層推進・充実していくことが重要である。

【3 コミュニティ・スクール】

《同一の委員構成の成果》
■ 学園の各学校の学校運営協議会とコミュニティ・スクール委員会がすべて同一の委員で構成し、活動を展開することで、委員の視野を小学校区単位から学園全体に広げる。また、地域関係団体等の代表者を委員とすることで、地域全体が学園を支援する体制づくりにつながる。今後、学校運営協議会の法的な責任と権限を果たしながら、学校を支援する活動の充実を図っていくことが重要である。

 3校の学校運営協議会とコミュニティ・スクール委員会をすべて同じ委員で構成し、小学校区を越えて各委員がそれぞれの学校の行事に参加し、地域活動も合同の活動を計画し実行するなどの活動を行うことが、単独の学校のことだけではなく、にしみたか学園全体の視野に立って考えていこうとする委員の意識に変わってきた。
今後、にしみたか学園のコミュニティ・スクール委員会は、学校運営への参画と教育活動をはじめとした学校支援との両側面からの活動を一層充実して行えるよう、定例会をはじめとするコミュニティ・スクール委員会の運営のありかたを工夫改善していくことが課題である。

《情報の共有化の成果》
■ コミュニティ・スクール委員会と連携して、ホームページ、「一貫だより」の発行、住民協議会の広報誌を通して、学園運営や学園の教育活動を積極的に情報発信することが、保護者・地域の小・中一貫教育校についての関心を高め、理解を深めることや、協力体制の強化につながるとともにコミュニティの活性化をもたらす。今後は、学校からの一方向的な情報発信の段階から、保護者、地域との双方向から意見の交流を行うことでスクール・コミュニティを創っていく段階に入っていくことが必要である。

 ホームページや学園のポータルサイトによる、情報の提供は、学校間での情報の共有にも役立つとともに、多くの保護者の関心を集め、学校への関心を高めることにつながった。コミュニティ・スクール委員会の各部会は様々な形で情報発信を行った。このことから、小・中一貫教育校への関心が高まり、理解が深まった。また、コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育校の趣旨の理解が深まり、期待が高まった。
また、児童・生徒は、「授業に保護者や地域の方が入ってくれ、授業が充実する」ことに感謝の意をもっており、その思いから、平成20年度に、中学校の生徒は、自分たちが地域のためにできることはないかと自ら自治会や住民協議会へ働きかけ、地域行事等に積極的に携わるようになった。中学生の地域への働きかけが、地域行事、地域活動をはじめとする地域の活性化をもたらし始めた。
今後は、これまでの学校からの一方向的な情報発信から、学校と家庭・地域間の双方向によるコミュニケーションを図っていくことが必要になってくる。

このページの先頭へ

添付ファイル

PDFファイルをご覧いただくためには、Adobe Acrobat Reader DCが必要です。Adobe社のホームページより無料でダウンロードすることができます。

Adobe Acrobat Reader DCのダウンロードページへ(外部リンク)

このページの作成・発信部署

教育委員会 指導課 教育振興係
〒181-0004 東京都三鷹市新川六丁目35番28号
電話:0422-45-1151(内線:3242、3243)  ファクス:0422-43-0320

このページの内容に関するお問い合わせはこちらから(SSL対応)

指導課のページへ

あなたが審査員!

質問:このページの情報は役に立ちましたか?

  • 回答が必要なお問い合わせは、このページの作成・発信部署へ直接お願いします(こちらではお受けできません)。
  • 住所・電話番号などの個人情報は記入しないようにお願いします。
  • 文字化けの原因になりますので、丸付き数字などの機種依存文字や半角カタカナは使用しないでください。

集計結果を見る

このページの先頭へ

三鷹市役所〒181-8555 東京都三鷹市野崎一丁目1番1号電話:0422-45-1151(代表) 市役所へのアクセス

開庁時間:月曜〜金曜日の午前8時30分〜午後5時(祝日、12月29日〜1月3日を除く)

スマートフォン版 パソコン版