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平成24年度点検・評価 学識経験者の知見の活用

作成・発信部署:教育委員会 総務課

公開日:2013年8月12日 最終更新日:2013年8月16日

点検・評価に関する学識経験者からの意見

平成25年度の「教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価(平成24年度分)」について、2名の学識経験者からご意見を頂いたので、次のとおり、報告します。

今野 雅裕氏(政策研究大学院大学学長特別補佐・教授)

1.総括的評価

○ 三鷹市教育委員会の平成24年度の主要な事務・事業について、関係資料や担当者のヒアリングをもとに評価を行った。
○ 三鷹市教育委員会が行う教育行政については、コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育の推進を軸に、学校と地域コミュニティとの相互信頼と協働により、多様な教育施策を展開し、教育成果を得ようとする明確な政策意思に基づくものと認められる。こうした試みは、全国的に見ても、先駆的であり、しかも、現在、国の中央教育審議会等では、教育委員会制度改革の審議の中で重要な課題の一つになっているところから、今後の教育改革の動向の指針となるものと位置づけられよう。それだけに三鷹市での実践の経緯とその成果に関して、客観的な評価・分析などを基にした情報発信が求められていると思われる。
○ 学校教育に関しては、そうした基本的な政策のもと、知・徳・体に応じたきめ細かな施策が学校の独自性も活かす形で展開されている。学校施設・設備の建設整備のほか、環境マネジメント導入、ICT環境の再整備など、ハード・ソフト両面にわたって、必要な対応が取られているものと認められる。
○ 一方、生涯学習・社会教育に関する取り組みについては、この点検評価の作業では、アピールがやや弱いように思われる。生涯学習の拠点施設の整備といった大きなプロジェクトに力が注がれているせいか、図書館の事業を除いて、市民の多様な学習活動支援の様子が必ずしもはっきりしない。評価項目の選択によるのかも知れないが、「学びの循環」「コミュニティの創生」など革新的な理念を謳った「生涯学習プラン」に基づいて、どのような施策が展開され、市民がどのような活動を進め、成果を挙げているのか、詳しく示して頂きたかった。
○ そもそも評価対象となる事業は、あらかじめ各年度の事業計画に即して選ばれるものであろうが、年によっては、特定の課題が緊急的にクローズアップされることがある。平成24年度では、全国的に、体罰の問題や給食時の食物アレルギー対応の問題が緊急対応課題になっていた。それらについて、項目として設定しないまでも、関連する事業項目の中で、追加的に記述することが考えられても良いのではないか。

2.個別事業評価

1.「コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育の充実と発展」

○ 三鷹市の学校教育政策の基軸となる事業である。平成24年度には、それまでの「小・中一貫教育校の開設に関する実施方策」を見直し、新たに「小・中一貫教育の推進に関する実施方策」を策定している。この「実施方策」では、学園ごとの教育計画の策定、学園ガバナンス体制の整備、相互乗り入れなど教員の指導体制の整備、児童生徒の交流活動、一貫カリキュラムの編成から、英語やキャリア・アントレプレナーシップ教育の実施など特色ある教育活動の実施についてまで、体系的な方針が定められている。さらに、「実施方策」について、一貫教育のねらいや趣旨、学園ガバナンス・運営、学園の教育活動のあり方に関して、教科ごとのカリキュラム概要などを添付しながら、詳細な「解説」が作成、配布されている。
あわせて「三鷹市立学校人財育成方針」も策定された。三鷹市独自の教育の基本方針に則して、キャリアパスに応じためざすべき業務内容・能力、研修やOJTなどを含め、教員の育成・配置、指導・管理体制などについて体系化した方針を明確にしている。「コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育」が着実に推進されるための、体系的で重層的な施策展開と評価される。
○ この事業に関しては、事業実施による成果が具体的に示されることが期待されている。これまでも、コミュニティ・スクールの導入・実施により、学力テストの平均点が上昇したとか、不登校の出現率が低減したなどのデータが示されているが、これらのほかにも、アウトカム(社会的な成果)・レベルでの評価がなされるように、多面的な分析を期待したい。
取組状況において、学園評価により「学校経営の透明化と地域ニーズを学校に結びつけるができた」とされている。一つの成果と評価されるが、具体的な内容を記述して頂きたい。
また、学校支援ボランティアの数が6千人近く増えて、1万6千人近くになったということは、とても大きな増加率で、これも成果であり、事業の推進の実績の証左である。

2.「知・徳・体の調和のとれた三鷹の子どもを育てる教育内容の充実」

〇 平成24年度目標として「確かな学力の育成」が、その細目としての「事業時数の確保」、「学力調査等を基にした学習状況の把握」などとともに掲げられている。いずれも必要で大事な事項であるが、もう少し踏み込んで、学力そのものの実態把握・分析を行うことを目標として掲げられないだろうか。これまでの学力調査、学習達成度調査の分析で、例えば、成績下位層の割合の動向、無回答者の割合の動向など、学力そのものの多面的な現状把握ができるのではないか。
○ 道徳教育、人権教育については、全体計画・指導計画の作成が全校で取組まれるなど、意欲的な施策が行われており、評価されるところであるが、その結果がどうであったか、計画の実施状況、成果などについて具体的に触れてほしい。
○ 体力向上の取組として、各校がそれぞれで課題を分析し、「一校一取組」「一学級一実践」を行うほか、小・中学校での教員の相互乗り入れを実践するなど、小・中一貫教育の良さをこの面でも発揮していることが注目される。

3.「教育支援プラン2022の推進と総合教育相談室事業の充実」

○ 平成24年度の目標が事業名と同じになっているのは、不適切ではないか。その年度の主たる目標が具体的にきちんと設定されていないのではとの誤解を生む。目標があまりに抽象的では、評価もできなくなってしまう。
〇 実際の事業面では、夏期研修会での参加者が増加し、ソーシャルワークを行う教育相談員の派遣2名体制を実現するなど、順調な事業展開が図られているものとは認められる。

4.「幼稚園・保育園・小学校の連携教育の推進」

○ 幼児期の教育・保育の重要性および小学校と幼稚園・保育所との連携の必要性に関する全国的な認識の高まりの中で、三鷹市の取組は特に注目されるところ。平成24年度も、昨年度の全市的な詳細なアンケート調査の結果をもとに、「連携地区連絡会」において、給食体験、学校行事参加、教員・保育士の相互乗り入れなど、特色ある取組が行われている。「連携推進委員会」では、連携事業の効果の検証、今後の指導法の検討などが行われたほか、保護者向けの就学ガイドブックの作成配布、研修会の開催なども実施された。充実した活動が着実に展開されているものと評価される。

5.「子どもの安全・安心の確保」

○ 通学路の安全点検、対応方策の検討、実施に関しては、保護者、道路管理者や警察署などと連携して、緊急の合同点検を行っている。把握されたすべての箇所で改善策が完了されなかったことから、成果評価ではBと判定している。誠実な態度での自己評価である。
○ 東京都教育委員会が実施する学校給食用食材の検査および学校給食モニタリング事業に参加することで、学校給食用食材に対する放射性物質検査を実施し、問題のないことを確認し、学校給食の安全・安心の確保に努めている。

6.学校環境の整備関連事業

○「三鷹中央学園第三小学校の建替え」については、校舎建築が完成し授業が開始されていることから、「学校耐震補強工事」では対象となる学校の校舎・体育館の耐震補強工事が実施され、耐震補強工事が不要とされてきた学校体育館の耐震診断再調査が実施されたことから、「学校空調設備整備」では予定8校の空調設備の整備が完了したことから、「学校給食の充実と効率的運営」では調理業務の委託事業者選定が準備され、委託実施校での学校給食運営協議会が円滑に運営されていることから、それぞれ計画通りに事業が実施されていると認められる。
○「学校校庭の芝生化」でも、小学校1校を芝生化し、整備済みの5校を維持管理している。維持管理についても、地域の人々、保護者、使用するスポーツ団体などが維持管理組織を作り、行政からの専門的なサポートを受けて、円滑に実施されているものと認められる。
○「学校版環境マネジメントシステム」についても、小・中学校全校に導入し、基本目標を設定させ、教職員研修を実施し、全校巡視の上、設備・備品等の法令順守状況を確認し、法規規制チェックシートを作成させるなどしており、積極的な対応と評価される。
○「学校施設の電気需給契約の見直しによる経費の節減」においても、電気事業者との契約の見直しにより、学校施設電気料金を、当初の見込み以上に、大幅に削減させており、事業成果は大きかったものと認められる。
○「学校ICT環境の再整備と最適化」は、平成24・25年度の2年度間で学校ICT環境の再整備をしようとするもので、24年度は、調達仕様書の作成、一部機器の整備、教職員による検討会議が開催されるなど、計画が着実に実施されたものと認められる。

7.「校外学習施設のあり方の検討」

○ 目標で「今後の施設の適切なあり方の調査検討」とされ、指標で「検討報告書の作成」とあるので、計画通りに事業が実施されたということになるが、検討の結果は「継続検討が妥当」ということであり、具体の結論は、持ち越された形になっている。
 その検討の内容において、自然環境の中での学園単位の学習活動の重要性、学校・スポーツ少年団などの利用者数の膨大さが確認されるとともに、指定管理料や施設設備更新費など費用の問題のあることなどを踏まえて、直ちに廃止の判断にいたらなかったのは、合理的な対応と考えられる。今後3年の新たな指定管理期間内で、経営の改善方策の工夫と、この種の施設での教育活動の成果の検証があわせて求められるところである。

8.「教育振興基金の充実に向けた取り組み」

○ 市民の寄付による「教育振興基金」の創設は、協働による教育、まちづくりの推進にとって、極めて意義のある方策である。寄付額の低迷によりB評価となっているが、やむを得ない。市民に負担を求めるものであるだけに、十分な理解と協力を得るには、相当の時間と努力が必要になると予想される。平成24年度は、広報誌やホームページを通じての公募などが行われたが、結果的には取り組みが十分ではなかったようだ。困難が予想される事業だけに、広報によるばかりでなく、例えば、職員や市民の募集チームを編成し、具体的な活用事例を示したうえで、寄附金獲得に向けて積極的な呼びかけを行うなど、組織的・継続的な対応が必要になるのではないか。

9.「生涯学習関連事業の推進」

〇「生涯学習プラン2022」では、生涯学習のための環境を整備するとともに、学習者が学習成果を地域に生かすことを促進することによって、市民の学びと地域活動とが循環して持続発展する「学びの循環」の構築をめざしている。平成24年度は「学びの循環」を促進する観点から、「まちづくりに資する人財の育成・活用」を目標として掲げ、「ボランティア養成」「市民エントリー」「水車解説員養成」などの講座が取り組まれた。これらは、受講後の活動を想定した講座であり、目的にかなった施策・事業と認められる。ただし、人財バンクの仕組みは、一般的には、十分な活用がなされない傾向にあるので、制度見直し後の活用状況を仔細に分析して、活用促進について工夫することが肝要であろう。
○「新川防災公園・多機能複合施設(仮称)」は、総合スポーツセンターの機能、集約化された生涯学習の機能、防災公園、福祉・保健センター機能および市民の諸活動の拠点機能を有する画期的な総合施設であり、整備が期待されるところである。これまで、計画通り関係機関との連携のもと実施設計が作成され、指定管理業務など個別課題が検討されるなどしている。
○「南部図書館(仮称)の整備」は、民間の財団等との連携・協働によるユニークな図書館整備事業であるが、実施設計の確定、関係機関によるパートナーシップ協定の締結など、計画通りの事業進展が図られている。
○「図書館サービスの充実」では、「こどもカウンター」の拡充、お話会・映画会・講演会等の開催、子ども政策部との連携による「はじめての絵本(ブックスタート)事業」の実施、郷土資料のデジタル化の推進など、サービスの着実な改善がなされているものと認められる。
○「スポーツ祭東京2013」の平成25年開催に向けて、「総合実施計画案」が策定され、3競技のリハーサル大会が開催されるなど、着実に準備が進められている。

3.自己点検・評価の在り方について

○ 今回の自己点検・評価に当たっては、各事業の評価に「事業の背景・目的」の欄が設けられ、初めに総括的な説明・記述が行われようになったが、これにより、事業実施の理由や趣旨が理解しやすくなっており、貴重な改善と評価される。
〇 一方で、この点検・評価の活動は、教育委員会の仕事がどのような意図で、どのような事業を推進し、その結果がどうであったかを、議会に提出しひいては市民に情報発信することを目的とするところから、できるだけ分かりやすくすることが必要で、そうした観点からいくつかの改善すべき点が考えられる。

(評価スケールと具体的な説明)

○ 今回、評価スケールがA、B、Cの3段階になっている(前年度は4段階)。目標がアウトプットである事業実施自体を問う項目が多いこともあり、より現実的なものになったとも思えるが、大括りの評価になった分、事業の取り組みや成果の状況を、よりきめ細かに説明することが求められる。

(目標・指標の設定)

〇 各事業にはそれぞれ目標が設定されるが、事業によっては、「充実を図る」「推進する」など一般的・抽象的な記述にとどまっていることがある。達成すべき成果を具体的に設定することは困難なこともあるが、意味のある評価を行うためには、目標ができるだけ具体的に設定されている必要がある。各事業の企画・実施の段階で、全体的にあるいは年度ごとに、何をどこまで実現するのかということを、できたらアウトカムのレベルで、でるだけ具体的に設定することが望まれる。
○ 同様に、「指標」として規定する内容にも改善が求められる。例えば、「コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育の充実と発展」では、「指標」として◇コミュニティ・スクール委員会の学校運営の参画の活発化、◇コミュニティ・スクール委員会の広報活動の活発化などと書かれているが、いずれも、「目標」として記されたものと変わらない内容であって、目標が達成されたかどうか判断する際の判断指標とは言いにくいものばかりである。他にも同様なケースが見られた。評価が成り立ちうる指標の設定が重要である。また、そのためには、目標そのものの明確化が必要ともなろう。

有村 久春氏(帝京科学大学教授)

 三鷹市の主要事務事業の点検及び評価の検討について、報告いたします。
 つきましては、このたび5月27日の懇談会の席での事業説明と24年度の点検・評価に関する資料等から、実施状況に関する学びや意見等をいくつか述べたいと思います。

[1] CSを基盤とした小中一貫教育の充実

 これまでの実績を踏まえ、目標設定から具体的な取組、評価及び課題へと安定した事業運営が展開されているように思います。そのプロセスに一貫性が読み取れます。
 三鷹市が実施する小中一貫教育は施設分散型であることから、地域コミュニティーとの一体化を重視・優先することが求められるように思います。それゆえに、CSの意義や価値を不断に追究する必要があるように思います。日々の実践にあっては、学園内のそれぞれの学校が実施する教育課程の推進を学園としての教育体系に再構築することの苦悩と工夫(とくに人的・物的な面について。例:教員の移動に時間を要する、会議が多くなるなど)があるように思います。常に、CSのシステムが今日の義務教育に意義あるものなのか、それによって教育の進展がどのように考えられるのか、などの視点を吟味していくことが重要であるように思います。
 教育百年の計からすると、今の段階においては思考・模索の期と考えるのでしょうか。2つ目の事業名との連関を図りながら、その成果が日々の子どもたちのよりよい学習の姿(自己成長)に資していくことを願っています。

[2] 知・徳・体の教育内容の充実

 学校教育の基本とされる3つの目標(学力・心・体)を明確に位置づけ、その成果がみられること、うれしく思います。三鷹の教育の中心課題だと思います。
 次代を担う子どもの成長に資するこの3つの基本は、指標に示される授業時数の確保や年間計画の作成等を着実に行うこと(形式知)の他に、子ども個々にある諸能力の引き出しや援助、家庭を中心とした生活習慣の形成、安定した地域環境、ゆっくりとしたしかも温かい教師の指導力など、数量化が困難な要件(暗黙知)が欠かせないものと考えます。
 その意味では、事業評価のあり方にも困難な部分があるように思います。単に形式知を優先する事業遂行であれば、「計画通り」に進み、その「目標が達成できた」とする評価も可能なように思います。暗黙知とされる質的にも時間と見極めを要することをどのように子どもの成長に見出すのか、今後の課題とするところがあるように思います。
 このことの追究が、真の「教育内容の充実」を意味すると考えます。形式知が進み過ぎると、教育のコモディティー化やマニュアル化が生じるように思います。とりわけ、人生の基礎期である小中学校教育においては、<時間をかけ、ゆったりとした空間、温かい人心>のもとで人づくりをすることがその基盤にあってほしいと願っています。

[3] 総合教育相談室の充実

 子どもたちの生き方や生活環境が多様化している現状では、本市が取り組んでいるこのきめ細かい教育支援事業が功を奏していると思います。事業目的にも記されるように、0歳からの支援、市全体の部局との連携強化などが重要であると考えます。
 市採用のSSWやSC等との相互連携・活用などの充実はすばらしいと思います。研修会等の参加者の数値的な向上もうれしく思います。これらのことと併せて、それらの利用者(被援助者)の自己成長や日々の生き方への反応などを臨床的に的確に把握することが大切なように思います。今後はそのうえでの事業評価が求められるように考えます。
 その意味において、関係者へのアンケートや聞き取りを丁寧に行い、教育支援プラン2022の推進状況を検証することを課題としていることに期待したく思います。

[4] 安全・安心の確保

 このことは、教育の基盤である<生命維持の機能>そのものであります。とりわけ、事業目標の2つ目に示した放射性物質の拡散に伴う学校給食の問題にはかなりの気苦労があるものと察します。子どもたちや保護者が日々気がかりとしている部分かと思います。
 事業の指標に示す検査の実施を有益かつ有効足らしめるには、保健所等の専門家による数値的な説明とともに教委や各学校の丁寧な説明会等の実施とそこでの継続的な相談活動などが大切であるように考えます。
 特に食の安全・安心の課題は、子どもや保護者の個々の理解や認識によるところが大と考えます。それゆえ、子どもや保護者の要求に適切に応じること(例;献立によっては弁当を持参するなど)の必要性もあるように思います。その意味では、事業の推進にあってデマンドサイドに立った柔軟な対応があってもよいと考えます。

[5] 学校給食の充実

 効率的な事業運営の観点から、そのメリット(効率性と経済性)を生かした目標と実施及び評価がなされていると考えます。その効果を教育活動に活かす方策などはどのように行われているのか(例:子どもや保護者への献立や栄養効果の説明など)、担当部局や各学校の指導助言等がそのように反映されているのかなど、これまで以上にアカウンタビリティが求められるように思います。
 その意味で、ある程度において定期的なアンケート調査や聞き取り、事業者間の公開プレゼンテーションなどの場(例:試食会など企画)も必要なように思います。それらの実績を生かした事業の改善や献立等の研究開発等が考えられることを期待いたします。
 また、学校給食はいまや<単に食する。食を満たす>との発想から、各学校の教育課程の実施(例:食のマナーの指導、食を通じた人間関係の醸成など)と深く連関すようになっていると思います。これらの視点からの事業評価の発想も欠かせないように思います。

[6] 校外施設の在り方

 本事業の目標等に記されている内容からすると、ここに検討しようとする事業は、<当の施設(川上郷自然の村)>が行政的にも教育的にも<やや重荷>になっているのでは?との印象を受けます。行政事業のスクラップ&ビルドは時代と社会情勢の推移とともに不可欠な要件です。それゆえに、単に「廃止」を前提とした議論は次代に求められる教育論の視点から、より慎重になすべきと考えます。
 小学校高学年から中学生期の発達において、周知のように集団による宿泊体験は人格形成において目に見えない効果(子どもの内面性や自律性及び社会性の育成、自我形成の視点など)があるように思います。私見としては、内容的にも人的・物的にも拡充の方向を期待します。実施日数なども1週間から10日ほどの実施を実現すると、子どもたちの心身の成長に多大な効果が予期できるように考えます(2泊程度では子ども個々の内的な心身をゆり動かすまでには至らないように思います)。
 学校教育の発想に留まらず、未来の市民・社会人を健全に育成する観点から、市全体の部局を挙げた総合的な視点からの検討を期待します。その意味では、今日の学校教育・教育課程のシステムから抜け出す発想が欠かせないように思います。

[7] 学校のICT環境の再整備

 ここ10数年来、ICT環境は学校教育の方向性や在り方を一変させたところがあります。グローバル化した社会にあっては、望まれる構図であろうと考えます(国の施策においても、2020年を目途に学校教育のICT環境をさらに進展させる、との方向性があると聞くところです)。とくに、子どもたちの学習や生活の環境は従前の学習効果を超越したものがあるように思います。
 その期待のどのように応じるのか、むしろ課題が大きいように考えています。例えば、ICT等の機器導入に伴う人的配置の不足(機器に精通していない教員が苦労している現状があるのでは?)、その情報管理の在り方、機器のメンテナンスの問題など。これらが、各学校の教職員の職務の増加(負担)になっているのではないか、と危惧しています。
 このことが、日々の教育課程実施の実質的な質の低下を招いては本末転倒です。しかし、次代を生きる子どもたちにはICT環境による学びは進化・深化する方向であると考えます。この矛盾とも思える課題をどのようにアウフヘーベンするのか、その議論失くして、この課題の最適化はないものと思います。
 子どもたちは我々大人が知り得る以上に、時代や社会・情報の動きに敏感であり、それを学びうる力量を有しています。その実情に学ぶ検討が求められるように思います。
 以上、7点について申し上げさせていただきました。他の課題についても、単に「計画通り」に展開することに留まらず、子ども個々の自己成長に資する視点からの議論の末に的確な事業推進がなされることを願っています。

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